2018年04月15日

スジのどちらを切るか【将来のスライドを考える】

引き続き、スジのどちらを切るか、今回のテーマは将来のスライドに備える編だ。

これは主に、相手の攻撃に備えて危険牌をスライドできるように前もって準備しておくということで、
例えば自分が仕掛けて手牌が短くなっている場合などに効果を発揮する。


基本的には2スジにまたがる456牌を将来切らずに済むように、
前もって外側に手牌を寄せておくという、守備的要素が強いのが特徴であり、
相手の利する牌は切らない、という今までのスジ切るとは性質を異にする。


これを用いる際に気をつけなければならないのは、
必然的に456牌が河に並ぶため、河が弱くなり、自身の待ちが読まれやすくなってしまうこと。

さらに、不自然な手出しが多くなるため、
スライドなど自身の手牌構成も読まれやすくなってしまう点だ。


メンゼンでリーチをかけるつもりならば先に述べたように4・6牌を河に見せるのは不利な点が多いので、
メンゼンでもリーチをかけるつもりがないというような点棒状況で用いることがほとんどだろう。


天鳳の場合は、上よりも下を見る、
つまりいかにラスにならないかというのを意識すべき状況が多いため、
必然的に守備特化の時間帯が長い。

安牌1枚が結果を大きく左右することも少なくなく、
天鳳プレイヤーにとっては身につけておきたいスキルと言えるだろう。


将来のスライドに備える、というこのテーマは、
スライドする牌が将来的にどのくらい危険なのかというのを把握する力のみならず、
それを切ることが自身の効率をどの程度損なうのか、という牌理の部分においても精通している必要があり、
全体と部分の把握という意味で、麻雀の総合力が必要なテーマでもある。



研究のテーマとしては奥が深く、
掘り下げて考える機会をまた作りたいと思っている。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
36366.jpg

南2局、23400点持ち2着目の南家。

対面が50000点弱のダントツで、親とは満貫一つ分、ラス目とは満貫二つ分の差。
つまり、下を見るべき状況となっている。

4sをツモって、さて何を切る?





36367.jpg

ツモ切りとした。

これは何も考えなければ1sとスライドしてしまいそうだが、
5sのフォローが効いているので、それほどロスがない。

厳密には5sをツモった際にソーズの伸びを欠いてしまうが、
58s先埋まり時にはペン3sを外してマンズの伸びを見るという構想。

つまり、ペン3sは先埋まり要員で、リーチをかけないことが前提の手組みだ。

打点がいらないトップ目の河が派手なので、少し警戒度を高めている。
ソーズが場に高いことも4sを先切りした理由だ。


36368.jpg

ズバッとペン3sが埋まって、予定通りのダマテン。

親が流せればこの局は御の字だ。


36369.jpg

ところが、直後に親リーチが入って一発目。

4sをツモって、さてどうしよう?





36370.jpg

ここで1sを切れるのが、前もって4sを切った効果だ。

仮に、この時スライドできない4sだとしたら、一発目で切れるだろうか?
1sに比して勝負するにはかなり勇気がいるのは間違いない。


このように、外側のスジに前もって寄せておくことは、
将来の危険を予見するということであり、
守備的に打つ際に効果を発揮する。



36373.jpg

9sも押して、無事400・700のツモ。

点棒よりも価値の大きい値千金のアガリ。

親の待ちがカン7sということは、4sも紙一重だったということ。
ここまで都合よくいくことはあまりないが、意識しておいて損はない。

この半荘は2着で終えた。



case2
36920.jpg

南3局、14800点持ち2着目の北家。

ご覧のように下家の親が70000点越えの大トップ目。
私はぶら下がり2着で、下位とはそれほど差がない。

8pをツモってテンパイだが、さて何を切る?リーチする?





36921.jpg

3pを切ってダマにした。

リーチ宣言牌編でやった通り、リーチするなら9p切り一択だが、
ダマならスライドする余地を残して3p切りとするのが良さそう。

親の河はかなり速そうで、
下家の打ち手の性質からは、私のリーチには100%ぶつけてくる。


親に対して危険度の高い3pは先に飛ばしておきたい。

私がリーチをかけることで、上家の仕掛けを降ろしてしまうのもこの場合は微妙。
とりあえずこの親をみんなで流す意識を共有したいところ。

親に追っかけくらって親満放銃ラス転落、それが本局最悪のシナリオだ。


36922.jpg

ほら来た。やっぱり来た。

だから言わんこっちゃない。


36923.jpg

リーチ一発目、さてどうしよう?





36924.jpg

迷わずに抜く。ここはためらってはいけない。


36925.jpg

結果、親が一発ツモ、裏は乗らずに2600オール。

仮にこの場合、36pをツモってきた際に9pとスライドできるのは大きい。
36pなら絶対に勝負できないが、9pなら勝負する余地が残る。

受け重視の局面ではこういうことの積み重ねが生きることがあるだろう。

この半荘はほうほうの体で3着終了。



case3
44646.jpg

南2局、20200点持ち3着目の南家。

下家がダントツトップ目で下はそこそこ僅差。

仕掛けてテンパイを入れているところ、8pツモ。さてどうしよう?





44647.jpg

5pとスライドした。

まずまずの巡目につき、今ロンと言われてしまう可能性もあるものの、
再度5pツモってきた際に8pとのスライドが可能だ。

7p4枚持ちにつき、8pの安全は保証されている。
この安心感こそ天鳳では至福。

この局面を牌オープンしてみると…


44648.jpg

対面に、25p受けがある。

トップ目下家にも25p受けの余地がある。

赤5pツモで右往左往することがないのは大きい。


44649.jpg

結果、私が下家に1000点の放銃。

この半荘は3着だった。



case4
32440.jpg

東2局、僅差の南家。

7pツモってテンパイが入ったところ。さて、何を切る?





32441.jpg

ピンズの連続形を重視し、かつ上家が切ったばかりの3p切りとしたが、これは間違いだ。

下家にはドラ絡みの3p受けがある可能性があり、仕掛けられる可能性があること、これが一点。

そして何より、私がドラを持ってきた際にスライドできなくなる点、これが大きい。

連続形を重視することで、例えば7pツモ時に4pカンできるみたいにメリットは多くなりやすいが、
この場合はドラ受けを殺してしまうデメリットの方が大きかった。


32442.jpg

結果は下家が500・1000のツモアガリとなった。


32443.jpg

次巡の私のツモにはまんまとドラがいて、ミスを咎められるところだった。

牌山公開機能はこういう検証ができる点で優れているし、勉強になる。



case5
58938.jpg

僅差のオーラス、3着目の親番。

マンズが複雑な形のところ、ラス目対面からドラ切りリーチが入った。

さて、これを鳴くか?





58939.jpg

これは当然ポンテンに取る。

そして、何を切る?





58940.jpg

2mはシャンポン待ちがあるが、58mのスジを重視して2m切り、これが普通だろう。

現物待ちの25sうっかり出てこないかな?


58941.jpg

連続形を残すメリットとして、柔軟なスライドに対応しやすい、というのがある。

ここで6mと3mをスライド。


58942.jpg

リーチの対面から当たり牌が出て12000でラスト。

なんと、6mは対面リーチの高目三色にストライクだった。

当たり牌を食い取って使い切り、アガリに結びつけることができたのだから、
いかにスライドの価値が高いかということがわかる。


基本的には連続形を残した方がスライドに適しているため、
できるだけ横に伸びた牌姿にすることが望ましい。

case4は連続形を壊してスライドに備えるため難易度が高く、例外的なケースであると言える。
ラベル:天鳳 スジ
posted by はぐりん@ at 02:08| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こういう難しい奴は、短期的に見れば裏目になることもあるでしょうが、
シンプルに攻める方が、余計なこと考えなくて済みますし、長い目で見て有利な気がします。

Q1、打1s
5s引いた時に強い形になるのと4sをケアします。
2着のメリットもあるなら、3s引いた段階で立直を打つ気がします。
3着目の親への牽制効果も?

Q2、打3p切り立直
上家に9pが通ってないのと、
3着目にアガられると次はこっちが危なくなるので、
シンプルに曲げて流しにいく価値はあると思います。

Q3、打8p
5pを鳴かせないようにしたり一応ダマもケアします。

Q4、現物の3p切りダマ

Q5、ポンして打2m
流石にこれ鳴けない人は勝てないと思います。
ポンしなかったら、大変なことになってましたねw
Posted by mj at 2018年04月15日 06:21
>>mjさん
私も基本的にはアガリを見るタイプなので、牌効率を損ねてまでやる必要はないと考えています。
状況を加味してあくまで限定的に用いるということです。

Q1、北家の仕掛けと共同で親を流すことを優先させたいので、仕掛けを降ろしてしまうリーチはかけません。
むしろ、親リーチが入ったら北家の仕掛けに責任を取ってもらうべく私は見に回る立場です。

Q2、上家の仕掛けに9pをケアする必要はありません。

Q3、タンヤオの縦なので危険度の高い牌姿だと考えました。

Q5、いかに当たり前のことができるかっていうのは大事ですよね。
Posted by はぐりん@ at 2018年04月16日 11:54
はぐりんさんの思考は深くてかなり勉強になります!
はぐりんさんは、覚えてないと思いますが仕掛けの精度が高いと言ってくれたのがあって、最近鳴いて攻めることをかなり意識してます。
もちろん、メンゼン派なんですが、仕掛けも極めたいなと。
早くはぐりんさんに、追い付けるように精進しますね。
Posted by むかい at 2018年04月18日 01:07
>>むかいさん
メンゼン派の仕掛けっていうのはやっぱり警戒度が高いので、それを効果的に用いるのがいいと思う。
長所を殺すような仕掛けは私は特にしなくていいと思うけど、仕掛けの良し悪しはやってみてわかることもあるから、そういう意味では天鳳はいい練習の場になるかもね。

Posted by はぐりん@ at 2018年04月18日 16:18
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